小周天の基本
陽気の発生
呼吸法と意識の集中などで、陽気を発生させます。
初めは、温かい程度だった陽気がだんだんと熱が強くなってきます。
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気を練っていくと、質が変化します。
曖昧だったものは、しっかりと、ネバネバとした感じ、振動する感じなどになります。
質感が変化してきて、これを「丹」と呼ぶこともあります。
強くなった陽気を督脈と任脈に巡らせるのが、「小周天」です。
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陽気を発生させる場所は、上達すると全身で可能となりますが、初めは特定のツボがおすすめです。
その中で一般的に行われるのが、臍下丹田、氣海と呼ばれるツボです。
小周天の色々
小周天と一口にいっても、内容は様々です。
巡らす深さや、巡らす方向、巡らす速さなども違います。
ここでは、一般的な初歩的な内容をご説明しています。
小周天でよく使用すツボ
東洋医学でいうツボは、他の部位に比べて、意識を集中しやかったり、変化を起こしやすい場所であったり、氣を練りやすい部位になります。
一般的に、小周天で使用する代表的なツボです。
氣海(きかい)・・・へその指2~3本分下の位置になります。下丹田
会陰(えいん)・・・ 男性は肛門と陰嚢との間に、女性は肛門と後陰唇交連との間になります。
尾呂(びりょ)・・・尾骨の先端になります。三関の一つです。
命門(めいもん)・・・へその裏側になります。
夾脊(きょうせき)・・・みぞおちの裏側になります。三関の一つです。
霊台(れいだい)・・・ 壇中の裏側、胸椎6番と胸椎7番の間になります。
大椎(だいつい)・・・ 第7頸椎と第1胸椎の棘突起の間になります。
玉沈(ぎょくちん)・・・第一頚椎になります。三関の一つです。
百会(ひゃくえ)・・・頭頂部の真ん中になります。
印堂(いんどう)・・・両方の眉毛の間になります。 上丹田
天突(てんとつ)・・・ 左右の鎖骨の間で、胸骨の上端にあるくぼみです。
膻中(だんちゅう)・・・ 左右の乳頭を結んだ中心点上で、第4肋骨と第5肋骨の間になります。 中丹田
中脘(ちゅうかん)・・・みぞおちになります。
神闕(しんけつ)・・・おへそになります。
気をまわして温養する
丹田で発生した陽気を、会陰→長強→命門→霊台→大椎→玉沈→百会→印堂→天突→膻中→中脘→丹田という風に一周させます。
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このときに、陽気が進まない箇所が出てきます。
暖かさが進まない、氣が感じられないという風に感じます。
これは、
・経絡が詰まっている
・筋肉の緊張が強い
・陽気の強さが足りない場合です。
繰り返し行うことによって、経絡・ツボを開いていきます。
一周させることができると、特定のツボで温養をします。
温養とは、特定のツボで陽気を止めて、意識の集中をすることです。
このときの呼吸は軽めにします。
するとそのツボに応じた、変化が起きてきます。
温養するツボは、初歩のうちは
・命門
・百会
・印堂
・膻中
などがおすすめです。
これを繰り返して、氣の強さを高めて、氣をコントロールする能力を高めていきます。
すなわち、氣の強化とコントロールです。
小周天が進めば進むほど、健康の増進はもちろんのこと、感覚の変化や、潜在能力の開発などが進みます。
進陽火と退陰符・河車を回す
小周天という呼び方が一般的ではありますが、色々な呼び名があります。
進陽火と退陰符と呼ぶことや、河車を回すなどと呼ぶこともあります。
この進陽火と退陰符ですが、状態の象徴とも言えます。
通常丹田で陽気を発生して、督脈を上げていく場合(進陽火)は、熱感が分かりやすいです。
丹田で発生した陽氣(温かい、熱い氣)が、背中側の督脈を登る際には、熱さを感じます。
これが百会で、氣の性質が変わります。
任脈をおろして行くときは、熱感は少なくて、はじめは分かりにくいです、そこで陰になります。
電気的なピリピリする感覚や、涼しい氣、圧力感に変わります。
その気を任脈を下ろしていきます。
退陰符とも呼びます。
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内経図では、小周天の概念を図にしています。
周天法の効果
いくつかある周天法の中で、基本とされるのが小周天です。
この周天法には様々な効果があります。
・体内の氣(元気)が増える、経絡が開き氣の流れが上がる→健康増進
・脳神経系の向上→身体動作の改善
・氣(感情のエネルギー)の変化→感情の操作、人間関係の変化
・氣を操作、変化能力の向上→氣を使った技術の効果が上がる
・氣を感じる能力(氣感)が上がる→氣での悪いか、良いかの判断が可能
・脳の血流の増加→本来持っている能力の開発
・想念の強化→引き寄せ能力
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などが効果として考えられます。
一部の人が、ご自身で小周天ができているが、思ったような変化が少ない場合があります。
それは、初歩の小周天の段階や、氣の使い方がまだ身についていないケースがあります。