陽気の発生のための呼吸法、武息、文息、半文息

陽気を発生させる呼吸法

小周天の基本である、陽気は

・意識の集中

・観想法(イメージ)

・呼吸法

で行います。

 

呼吸は、様々な分野で重要視されています。

人は、呼吸を止めては生命活動ができなくなってしまうように、呼吸は重要です。

 

生命活動の基本として無意識では働いていますが、意識的に操作することで、心身に変化をおこすことが可能になります。

気功では、呼吸を操作することで、陽気の発生を行います。

基本的な呼吸法には、半文息・文息・武息の3つありそれぞれ特徴があります。

※流派によって、漢字、読み方などが違います。

 

呼吸法の基本

呼吸法を行う際に、気をつけるポイントがあります。

・リラックスすること

・姿勢をまっすぐにすること

・舌を上顎につけること

・綺麗、新鮮な空気

をまず気をつけてください。

呼吸運動は、肋間筋、横隔膜、腹筋、腸腰筋などで行われます。

これらの筋肉も他の運動時の筋肉と同じように、リラックスの度合いと姿勢により、パフォーマンスが変わってきます。

 

他に基本的なこととして

吸うときは必ず鼻から行う 

ほぼすべての呼吸法で、吸うときは鼻から吸い込みます。

外気の温度や、ゴミなどは鼻から吸うことで処理しています。

・吐くときは鼻でも口でも良い

吸気に対して呼気は、鼻からでも口からでもいいです。

やりやすさや効能で使い分けてください。

 

呼吸の効果

呼吸には様々な効果があり、上達するとはその効果が高くなることです。

 

①酸素と二酸化炭素の交換

酸素を使って活動のエネルギーを取り出し、老廃物の二酸化炭素を排出します。

 

②精神面への作用

精神的な緊張と浅い呼吸が関係します。精神的なリラックスと深い呼吸が関係します。

精神の状態と呼吸の深浅は相互に関係しており、呼吸によって精神面に変化をおこせます。

 

屈筋、伸筋への作用

吸息は屈筋に、呼息は伸筋に関係しています。

 

④意識の方向性

意識は動く方向、方向性などがあります。出入などと関連しています。

 

⑤特定の筋肉を活性化

呼吸にかかわる筋肉がいくつかありますか、意図して特定の筋肉を働かせる、活性化させることが可能です。

などがあります。

 

文息について

まったく意識を使わないで行われる呼吸法です。

下腹部に力を入れたり、肛門を締め上げることも行いません。

瞑想の段階が深くなった時に、自然と出てくる腹式呼吸法です。

 

体が完全にリラックスしている必要があり、腹式呼吸ができていないと、自然と行われません。

静かに、吸う、吐くを繰り返し、それに伴い、下腹部が軽く動きます。

※無意識で複式呼吸になっていないと難しいです。

 

半分息について

息をゆっくり鼻から吸いこみ、下腹部を膨らまします。

口または鼻からゆっくりと息を吐きながら下腹部をへこまします。

 

その際に、多少の下腹部の緊張を伴わせます。

息を吸うときに肛門を軽く締め上げる、吐くときに肛門を緩めることを加えてもいいです。

武息について

意識的に、呼息・停息・吸息をします。

そのときに、下腹部の運動と、肛門の締め上げを行います。

 

①息を鼻から強く吸っていき、下腹部を膨らませます。

肛門の締め上げも同時に行います。

息が下腹部に降りていくと想像します。

②息を吸い終わったら、下腹部を膨らませ、肛門を締め上げたまま、息を止めます(停息)。

意識は下腹部に集中しておきます。

③鼻もしくは口から、息を強く吐きながら、下腹部をへこませて、同時に肛門を緩めます。

意識は下腹部に置いたままです。

 

呼吸法の使い分けやポイント

陽気を発生させる際に、文息は慣れてきて自然と出てくる呼吸とされているので、半分息か武息から行っていきます。

呼吸に慣れていない場合、武息から行うと余分な緊張や下腹部が使えてなくて、うまくいかないことが多いです。

呼吸法の基本や、半分息から行い、慣れてくるにしたがって武息への移行がおすすめです。

 

気功で、火加減ともいわれ、熱の発生をだんだんとコントロールできるようになってきます。

熱を強く発生したい場合には武息を、軽く発生させたい場合には半分息などと使い分けが可能です。

 

呼吸法に慣れたない場合は、武息が特に難しく感じます。

 

以下のポイントに気をつけてください。

・リラックスできているかどうか

緊張が強くなれば、呼吸筋の働きも低下したり、気の巡りも低下します。リラックスが重要で、特に首肩がリラックスできているか感じながら行ってください。

途中で緊張が強くなるケースもあるので、気付いたらリラックスします。

なかなか陽気が発生せずあせる気持ちが生じて、緊張してしまうこともあります。注意が必要です。

・下腹部が動いているか

呼吸は、胸式呼吸と腹式呼吸に分かれます。

腹式呼吸も、上腹部をメインで使ってする呼吸と、下腹部をメインで使ってする呼吸があります。半分息、武息は下腹部で呼吸を行います。

・下腹部と肛門の動き

武息では、下腹部と肛門を動かします。

慣れない時に両方を一緒にしようとすると、うまくいかない場合があります。

下腹部を使う感覚、肛門を使う感覚をそれぞれ個別に鍛えてから、慣れてきたら両方一緒に行ってください。