舌を上顎につけて、督脈と任脈を繋げる
呼吸法、小周天の時には舌を上顎につける
呼吸法や小周天をする際に、舌を上顎につけます。
これにはいくつかの理由がありますが、一番は督脈と任脈を繋げるためです。
他には呼吸をコントロールしやすくするためなどもあります。
小周天とは、督脈と任脈に氣をめぐらします。
督脈と任脈は流派や説により、始まりと終わる部分が違います。
・気海丹田と印堂で一つはわけます。
・上の図のような分けかたもあります。
・口の中でわけることもあります。
肉体的に口でルート途切れるので、途切れていると氣の流れが下がってしまいます。
下を上顎につけることによってルート繋げる必要があります。
舌に気が回ると起こる反応
小周天が進んでくると、氣をしっかりと感じて、めぐらしたところで変化が起きます。
舌に氣を巡らすと、
舌先がピリピリするなどの氣感がでてきます。
また、唾液に分泌が促進されるなどの効果もあります。
※赤ちゃんの唾液は豊富で、年齢とともに分泌が減ってきます。氣功は若返り効果があるので、分泌が増えてくるともあります。
唾液の味が変わるなどの反応が出てきます。
唾液には、様々な効果があります。
特に「パロチン」と呼ばれる、若返り効果のあるホルモンが含まれます。
導引の一つに、口の中で舌を動かして、唾液の分泌を促して唾液を飲む方法もあります。
唾液の効能
唾液には以下のような効能があると言われています。
潤滑作用
口腔内を潤し、咀嚼や嚥下、発音を円滑にしています。
粘膜保護作用
潤滑作用同様に口腔内を潤し、食事や歯から粘膜を保護しています。
洗浄作用
口腔内に入った余計な異物等をキャッチし処理します。
消化作用
消化酵素であるアミラーゼの働きで消化を助けます。
溶解作用
食べ物の味を出す物質を溶け込ませて味覚を感じさせます。
緩衝作用
酸やアルカリから口腔内を守り中性を保つことで歯の健康維持に貢献します。
抗菌作用
外的である細菌からお口の中を守ります。
再石灰化作用
カルシウムやミネラルが溶けだした歯を補修する効果を発揮します。
上顎につける場所について
初歩の段階では、リラックスできる付けやすい場所につけてください。
多くの人は、上あごの窪んだ部分が多いです。
口の中にも、ツボが沢山あり、それぞれのツボで効能が変わり、上級になると使い分けが可能になります。

また舌を意識するこで、リラックスが深まります。
※つける場所とは違う意味です。
通常、人は精神的な緊張が起こると、首肩、顔、口周りの筋肉に緊張が入ります。
そして、全身の緊張に広がっていくことが多いです。
日常で、ストレスがかかると、歯を食いしばってしまいます。
(さらに緊張が進むと、リラックスしているはずの睡眠時も、歯を食いしばり、歯ぎしりなども起こってしまいます・・・)
この時に、意識や感覚が、首肩、顔回りの筋肉にいってます。
逆に、舌の意識、感覚がほとんどありません。
筋肉の感覚と舌の感覚がシーソーの関係になっていると考えられます。
気はリラックスするほど流れが良くなります。
舌の意識、感覚を強くすることで、緊張が解けて、リラックスが深まります。
スポーツや武道の世界でも力を抜けと言われるように、緊張はパフォーマンスを落としてしまい、リラックスすることでパフォーマンスが上がります。
そのために、選手によってはプレー中に舌を動かしたり、出したりしています。
これも、舌をうまく使ってリラックスを深めています。
舌も意識を操作するうえで使い方がありますので、色々試しながらしていただければと思います。